昨日は所用があって神谷町へ出る。
せっかくこんなとこまで出てきたのだからと、帰りに神保町へ。行ってみたい店があったのだ。ブックダイバーのブログで紹介されていた神保町スイーツ、「大丸やき」のお店。
こぢんまりとした店内の隅っこに座り、メニューの中から「お茶と大丸やき」セットを注文する。
大丸やきはほんのりと温かく、カステラのような甘みのある生地の中に餡子が入っている。形は今川焼きみたいで、生地の表面には「大丸」の2文字が。別名カステラ饅頭と言うそうな。生地が甘い、餡子が甘い、甘くて、うまい。ああ、わたし、甘いもの、食べたかったんです。大丸やきがわたしのくたびれてしまった心を癒します。
おぉぉ、大丸やき・・・。
これは絶対にテイクアウトするゾ。心に決めたゾ。家で大丸やきを食べることを考えながら店で大丸やきを食べている意地汚いわたし。もう、二重においしい♪
しかし、大丸やきだけではないのです。大丸やきと共に出てきたお湯と急須と湯のみの3点セット。この三位一体との出会いは生涯忘れません!!!!
お茶と大丸やきが一緒に出てきた場合、ふつう、主役は大丸やきで、お茶は脇役にすぎない、と思ってしまいませんか? ところが、この店のお茶は単なる脇役ではないのです。
大丸やきと同じお盆にのっていたのは、いわゆる急須の形をしたものと、湯のみ、そして謎の容器の3点セット。
謎の容器は湯のみより少し大きいくらいのサイズで、蓋がついてるけど、形もやっぱり湯のみみたい。唯一、湯のみと違うのは鳥の嘴みたいな注ぎ口がついているところ。
「?」と思っていたら、お店の方が使い方を説明してくれました。この謎の容器の正体は急須なのだとか。そして急須だと思っていたミニ薬缶のお湯を「急須」に注ぐのです。「急須」のお茶っ葉をミニ薬缶に入れてはいけません。
この「急須」、湯のみほどのサイズだから、一度にたくさんのお湯は注げません。ふつうの急須みたいに把手もついてません。蓋を押さえながら、片口のわずかな隙間からお茶を注ぎます。湯のみもそんなに大きくないのですぐに飲み終わります。一度にたくさんのお茶をいれられないから、少しずつ飲んでは、少しずつ「急須」にお湯を注ぐ。二煎目以降はお茶っ葉もどんどん開いてくるので小さな「急須」に入るお湯の量はどんどん少なくなっていきます。この「ちょっとずつ飲んでは、ちょっとずつお湯を注ぐ」を繰り返しているうちに、なんだかお茶を入れるという行為そのものが楽しくなっている自分に気づきました。これは魔法の「急須」です! お茶がおいしい、お茶が楽しい、そして幸せでゆったりとした気持ちになれる、そんな「急須」です。
「急須」の表面はざらっとしていて、ナチュラルな手ざわり。わたしの手の中にちょうどいい感じに納まる大きさがニクイね。茶漉し網などついていないのに、湯のみにはそんなにお茶っ葉が流出しません。そのくらい、微妙な隙間からお茶を注ぐのです。素晴らしい設計。こんなステキな「急須」がこの世にあるとは知りませんでした。これは是非とも購入せねば。
わたしはお茶を飲むのが大好きですが、「お茶」そのものをここまで楽しんだのは初めてです。お茶を飲みながら、どんどん「急須」に愛着が沸いてきます。手にとって色々な角度から眺めてみると、背面には「だいまるやき」の文字が。ニクイ、ニクイよ。湯のみにも同じように「だいまるやき」と彫られているではないの。ニクすぎる~。
店内でひとり楽しくお茶を飲んでいる間にも、テイクアウト用の大丸やきは飛ぶように売れておりました。お店は17時半閉店。そろそろお暇しようかしら、と思っていた頃に残念ながらテイクアウト用の大丸やきは完売となり、お家で大丸やき♪ の夢はうたかたのごとく消えさりました。
レジでお会計をする際、ああいう「急須」をどこで買えるのかと尋ねてみると、なんと形からしてこのお店が特別に頼んでつくってもらった益子焼なのだとか。どうりで・・・あんな形の急須、見たことないもの。お店のなみなみならぬ「お茶」に対するこだわりに脱帽。しかし、ってことは、非売品であるから手に入らないのですね。がっかり。もう、こうなったら大丸やき茶房に通うしかない、とひとり決意するのでした。。。